本館1F
登録有形文化財 桃山風呂
文献に残る開湯は古く、約1300年以上前の天智天皇の時代、僧智由により発見され、この湯に入って長生きするようにと願いを込めて「養遐齢(ようかれい)」と名付けられました。
よろづや本館の隣にある湯田中大湯は、養遐齢(長命長寿)の湯として知られ、江戸時代には松代藩の湯治場としても栄えました。
湯田中の温泉は病を癒す霊験あらたなものと信じられており、文化文政時代には俳人小林一茶が愛し、当時の賑わいを詠んでいます。建物は初代ではございませんが、歴史的な趣が色濃く残り、現在も湯田中温泉の一部として親しまれています。湯田中温泉の外湯は地域住民が管理しており、基本的には利用できませんが、よろづや本館に宿泊のお客様は隣の湯田中大湯を無料で利用できます。
5代目館主小野博は伊豆修善寺にある新井旅館の天平風呂を研修で訪れた際に感銘を受け、そちらに倣いながらも、元々豪華絢爛な文化調のものが好きであった故、安土桃山時代の伽藍建築の粋を集めた大浴場を新築すべく、1951年(昭和26年)初より着工しました。
設計は日劇や善光寺納骨堂を手掛けた沖津清、棟梁は社寺建築に巧みな地元の大工市村正主のもとに、露天風呂を含め約3年の歳月をかけて完成しました。
浴室の総面積約200平方メートル、浴船は約40平方メートル、容積24トン、洗い場は笠間の稲田石で固めてあります。桃山風呂完成後、続けて隣接する庭園露天風呂の工事に移り、翌年完成しました。また、平成15年には文化庁より国の登録有形文化財に認定されました。
3つの源泉をもつ「よろづや」では、登録有形文化財に指定された純木造伽藍建築の「桃山風呂」や野趣あふれる「庭園露天風呂」など、趣溢れる自慢の6つのお風呂で長寿の湯をお愉しみいただけます。
国指定登録有形文化財「桃山風呂」の価値や物語とともに、スタッフが心を込めてお届けする手作りイベントです。